AGEと薄毛の関係

AGEが薄毛の一因に

AGEと薄毛の関係の研究論文です。
論文は英語のため、日本語にて簡潔に要約しています。
上の図を見ながら読んで下さい。
薄毛の簡単なメカニズムを説明します。

毛乳頭細胞(DPC)について

毛乳頭とは、髪の毛の成長において必要となる栄養素や酵素を毛母細胞(HMC)に送りだす指示を出しています。毛母細胞(HMC)とは毛乳頭細胞(DPC)のまわりにあり細胞分裂を行い髪の毛を作っている細胞になります。

毛母細胞(HMC)は髪の毛が成長するのにとても大切な働きを行っており、毛乳頭細胞(DPC)は毛母細胞(HMC)に栄養や酵素を送る役割を果たしています。

そして毛乳頭細胞(DPC)の栄養は血液です。ですので、血行がよくないと髪の毛に必要な栄養分が送られなくなり、髪の毛が増えることなく抜け落ちるばかりで薄毛に近づいていくのです。これが薄毛のメカニズムです。

山岸昌一教授の検討では

1) まず、毛乳頭細胞(DPC)のところにAGEsが存在することがわかりました。

2) このAGEsが多くなると、毛乳頭細胞(DPC)から毛母細胞(HMC)の働きを阻害する炎症物質が出てきます。

3) その結果、毛母細胞(HMC)の細胞分裂が障害され、髪の毛を作れなくなります。

4) 当然、年とともにAGEsは溜まってきますので、加齢に伴う薄毛にAGEsが関わることが予想されます。

5) この実験では、AGEsの働きを止める実験試薬(抗酸化物質)が有効なことも示しており、スルフォラファンでも同様な効果が期待できます。

【参考文献】
Miyata M, Mifude C, Matsui T, et al: Advanced glycation end-products inhibit mesenchymal-epidermal interaction by up-regulating proinflammatory cytokines in hair follicles. Eur J Dermatol 25:359-361, 2015

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