年の割に若く見える人と老けて見える人がいるのはなぜ?
40歳を過ぎて同窓会に行くと「年をとった」と感じる人と、「昔と変わらない」と感じる人がいます。年を重ねるうちに、髪が薄くなったり、太ったり、シミやシワが増えたり。外見によって若く見える人と老けて見える人に分かれてきます。この差はどうして生まれるのでしょうか?
特に40歳を過ぎると老化のスピードが加速し始めます。それには、「体をつくっているタンパク質の糖化」、つまり、老化を促進させる悪玉物質AGE(エージーイー)が深く関わっているのです。
老け顔に見えるたるみやシミ、シワ、くすみはAGEの仕業です。
たとえば、正常な皮膚にAGEがたまると、コラーゲンが変形してハリを失い、肌のプリプリ感が損なわれてシワができたり、皮下脂肪の重みに耐えられずにたるみが出てきたりします。
これらシワやたるみを加齢の特徴として見て取りますので、AGEのたまり具合によって、実年齢より若く見えたり、老けて見えたりするわけです。
老け顔の人は、体の中にもAGEがたまっていて、それが血管や骨などの老化にも関わっていることがわかってきました。つまり、見た目が老けている人は体内の老化も進んでいることになるのです。
糖化とは「糖」と「タンパク質」が生み出す反応です。
「体が酸化する」とよく耳にすると思いますが、「体が糖化する」と聞いたことはありませんか?!体が焦げるとか体のコゲとか・・・
糖化現象というのは、タンパク質に糖がくっつく化学反応です。糖化現象を説明するときにわかりやすい例として最も使われるのがホットケーキです。甘く香ばしい香りとともに、湯気を出している表面はこんがりとおいしそうなきつね色。これこそが「糖化現象」です。
ホットケーキの材料は、小麦粉、卵、牛乳、砂糖などですが、これらの中の「タンパク質」と「糖」が、加熱によって結びつき「糖化」したのです。この現象は、1912年にフランスの科学者メイラード博士が発見したことから、「メイラード反応」とも呼ばれています。
この「メイラード反応」は、後に食品だけでなく人間のカラダでもおきていることが明らかにされます。
糖化(メイラード反応)は人間のカラダでもおきている。
糖化現象は、はじめ食品化学の分野で注目されてきました。ところが、この糖化現象は人間のカラダでも起きていることがわかってきました。
糖化という現象はタンパク質に糖がくっつく化学反応と言いましたが、実はこれ自動的におこる反応です。自動的とはどういうことかというと、「糖」、「タンパク質」、「加熱」などの条件がそろうと、至るところで生じてくるということです。
- 人間のカラダというのは10万種類くらいのタンパク質からできています。
- そして人間は糖をエネルギー源として生きてます。
- 人間のカラダの中には糖とタンパク質が常に存在しています。
- そして人間の体温はおよそ37℃です。
だから当然、37℃という体温の中で、糖とタンパク質が反応して、カラダの中で糖化現象がおこってきます。では、人間の体内ではどんなときに「糖化」が進んでしまうかと言えば、ズバリ、体内に「糖」が過剰にあるときです。
AGEは糖化が進んだ最終形。二度と元には戻らない体の焦げ。
AGE(Advanced Glycation End Products)日本語で言うと「終末糖化産物」。
簡単に言うと、タンパク質と糖が加熱されてできた、これ以上変わることのできないタンパク質の成れの果てです。強い毒性を持ち、老化を進める原因物質とされています。
糖化は、いわばタンパク質にできた糖のこぶのようなもので、糖が体内に余分にあるほど、タンパク質にたくさんのこぶができてきます。
最初のうちは、糖の濃度が下がれば、こぶが取れ、元の正常なタンパク質に戻ります。元の正常なタンパク質に戻れば、体に悪影響を及ぼすことはありませんが、タンパク質がさらに高濃度の糖にさらされてしまうと本来のタンパク質とはまったく異なるこぶだらけの物質となってしまい、元にもどることができなくなります。
このこぶがたくさんついて変性したタンパク質がAGE(終末糖化産物)と呼ばれるものです。これが老化物質となり、シミ、シワ、くすみや、多くの病気の原因となるのです。
AGEは美容や健康にどんな影響を与えるか?
タンパク質は、血管、脳、筋肉、皮膚、髪の毛、骨、いろいろな臓器に存在し、それらが糖化すると体の至るところで、いろいろな障害が出てきます。
例えば、皮膚。そもそも皮膚の真皮部分は、コラーゲンや弾性繊維などのタンパク質でできています。これらのタンパク質によってハリや弾力性が生み出されています。しかし、これらが糖化を受け、AGE化すると、機能が低下し、肌のハリや弾力性が失われ、シワ、たるみが出てきます。
また、肌は糖化により黄色や茶色化します。そのため黄ぐすみという老化現象が起こってしまうのです。
髪の毛でも似たようなことが起こります。髪の毛のほとんどはケラチンというタンパク質でできています。これが糖化しAGE化すると、強度が低下し、髪のコシが失われ、もろく傷みやすい髪質になってしまいます。キューティクルを含むタンパク質の透明度も低下するため、ツヤも失われます。
AGEは、多くの病気の引き金になる。
体に張り巡らされている血管もタンパク質でつくられています。血管のタンパク質がAGE化すると、血管の内側が厚くなり、動脈硬化が起こります。動脈硬化が進み血液の流れが悪くなり、脳の血管が詰まってしまうと脳梗塞、心臓の血管が詰まってしまうと心筋梗塞が起こります。
人間の体内にはさまざまなタンパク質があります。そのすべてのタンパク質でAGE化が起きますので、体中に障害が出てくるのです。
他にも、骨粗しょう症、アルツハイマー病、変形性関節症、更年期障害、歯周病、脂肪肝、白内障、がん、メタボリックシンドロームなど多くの病気の原因になっていることがわかっています。
AGEのたまり具合の目安となるものは?
AGEが老化や病気の原因だとわかると、自分にはどれくらいたまっているか気になります。
現在、AGEsを測定する方法としては「血液から血中のAGEを測定する方法」と「皮膚のAGEs量を非侵襲的に計測する機器」による測定方法があります。
より正確に測定するには血液検査が一番良いと考えられますが、近年の測定機器を使用した研究で、皮膚のAGEs量が高いほど様々な疾患の進展が顕著であることが明らかにされています。
ここで、AGE量を知る簡単な目安をいくつか紹介します。
一つ目は病院などで検査される「ヘモグロビンA1c(HbA1c)」。この値は、赤血球の中にあるヘモグロビンという「タンパク質」が、何パーセント糖化を受けたかの数値です。
「ヘモグロビンA1c(HbA1c)」はまだ、元に戻れる糖化の初期段階の物質ですが、この数値が長期的に高いということは、おそらくAGEがたくさんできていることの間接的な証拠になります。
加えて、関節の硬さや血圧なども目安になるかもしれません。関節が硬くなったり、血管が硬くなったりすることにAGE(エージーイー)が関わっています。見た目が老けて見える人ほど体も硬くて、血管年齢も老化している。つまり、体のしなやかさも一つの目安となります。
血管にAGEが溜まってくると、血管の伸展性が損なわれ、血管は硬くなっていきます。そのため、心臓から拍出される血液が勢い良く血管の壁に当たり、上の血圧が上昇していきます。
一方、AGEの溜まった血管はしなやかさがないので、心臓が収縮していない時(心臓から血液が拍出されていない時)の血圧、つまり下の血圧は下がりすぎてしまう傾向にあります。
結果として、上の血圧だけが高く、下の血圧はむしろ低い、上と下の血圧の差が開いたタイプの高血圧となります。このタイプの高血圧を医学的には、孤立性(こりつせい)収縮期高血圧と呼びます。
通常、血圧の上下の差は40くらいです。これが、60、70以上となるとかなり血管にAGEがたまっていると予想されます。老けて見られがちで、歯周病や白内障があれば要注意。AGEがたまりはじめているかもしれません。
AGEの増加を緩やかにするために、まずは食事を見直しましょう。
人体にとって糖は必要な栄養素であり、人の体は36℃〜37℃前後の体温を常に維持しているため、微量であってもAGEは常につくられています。
ただ、日々のAGEの増加を緩やかにすることは可能です。それは、AGEになる一歩手前の段階で、糖化反応を抑えることです。
つまり、食習慣や運動など、日常生活のスタイルを見直して、できるだけ高血糖にならないようにする、または血糖値が高くなる時間を短くすることが大切です。
また、AGEは、体内で毎日少しずつ、つくられているだけではなく、AGEを含む食品を摂取することで、口から体内に取り込まれています。
AGEをなるべく増やさない生活習慣は、食べる物を少し変えたり、食べる順番を変えたり、調理法を変えたり、日常に取り入れやすい運動を習慣にしたりなど…。
慣れてしまえば意外と簡単です。ぜひ今日からAGEをためない生活習慣をはじめましょう。
AGEが体内で蓄積される仕組みは大きく分けて2通り
AGEが体内でたまっていく仕組みには大きく2通りあります。1つはカラダの中でつくられる「内因的なAGE」。もう一つが食べ物などから体内に入る「外因的なAGE」です。
AGEの蓄積量は血糖値×持続時間という公式であらわすことができます。血糖値とは、血液中のブドウ糖の量。つまり血液中のブドウ糖の濃度が高い程、タンパク質と結びつきやすくなり、糖化を促進します。
さらに、血糖値の高い状態が長く続くほど、その間に糖化が進み、AGEがつくられることになります。
高血糖が続くことによって蓄積される「内因的AGE」に加えて、「外因的なAGE」とは、メイラード反応を起こした食べ物を食べることで体内に入ってくるAGEのことです。
摂取した食品中のAGEの大半は、消化の過程で分解されますが、そのうちの約10%は、腸から吸収され、約7%は体内に蓄積するといわれています。食品を高温で炒めたり、焼いたり、揚げたりすると食品中のAGEは増えます。
おいしそうに焼き上げられたステーキや焼魚、高温の油で揚げられた唐揚げ、豚カツなどを頻繁にたくさん食べている人ほど、AGEをためやすくなります。反対に、肉料理だとしゃぶしゃぶや蒸し鶏、魚料理であれば、刺身や煮魚などがAGEが少ない料理になります。
私たちは年間1,000回前後も食事をします。1回あたりの食事で摂取するAGE量はたいしたことがなくても、AGE含有量が多い食べ物ばかり食べていると、長い間にはかなりの量になって体にたまります。
今以上にAGEを増やさないようにするには、AGEが多く含まれる食べ物をなるべく摂取しないことが大切です。
また、食品の中にはAGEの生成を抑制する働きをもつものや、AGEの腸からの吸収を抑える作用をもつものがあることもわかってきました。
食品中のAGE量を数値化!exAGEとは?
英語のexogenous(エクソジェナス)には、「外因性の」、「外からの」と言う意味があります。そこで、体内でつくられるAGEとは区別して、食事から体に入ってくるAGE(エージーイー)は、「exAGE(イーエックス エージーイー)」と呼ばれています。
また、exAGEは、食品中に含まれるAGE量の単位としても使われます。食材の成分や量、調理法、加工の有無などを考慮することで、食品中のAGE量をおおよそ推測できます。
exAGE値は、推定式から計算され、導かれた値です。一日のexAGE値の目安がおおよそ15,000くらいになるような食習慣を確立することで、AGEの蓄積を緩やかにできる可能性があります。
exAGEハンドブックには一般的な食品(メニュー)のexAGEを掲載しています。1日に食べたものの、おおよそのexAGEを把握することができます。
また、AGE攻略レシピにはAGEを抑える調理の工夫をしたレシピが掲載されています。
おつきあいなどで、高AGE食が続くこともあると思いますが、自宅で調理できるときは、AGE攻略レシピを参考にしていただき、低AGEメニューの食事にすることで、1週間の総摂取AGEの平均を下げることが可能です。ぜひお試しください。
カロリーばかり気にしてませんか?調理法でこんなに違うAGE値
同じ食材でも調理法によってAGEの量は変わります。高温で長時間調理するほどAGEは増えます。
火を通さず生で食べられるものは生で食べることが一番ですが、生ものばかり食べるわけにはいきませんので、なるべく水を使った調理法を選ぶことで食品中のAGEの増加を防ぐことができます。
水の沸点は100℃。茹でたり、蒸すなどの調理法は水を使うので沸騰しても100℃までしか調理温度は上がりません。また、最近では低温蒸し等の調理法も注目されています。AGEを増やさない理想的な調理法は、「生→蒸す・茹でる→煮る→炒める→焼く→揚げる」の順番になります。
AGEの1日の摂取値の目安は15,000exAGEとされています。1週間で105,000exAGEを目標にしてください。
たとえば、焼肉を食べた次の日は低AGEの食品を食べたり、唐揚げを食べたいと思ったら3回に1、2回は水炊きにするなど、AGEを多く含んだ料理をやみくもに避けるのではなく、毎日の食生活の中でexAGEの摂りすぎを抑えることを少し意識するだけで、老化のスピードが緩やかになるのです。
毎日の食事に一品追加するだけでAGEが抑えられるかも
AGE研究協会が2015年のおこなった臨床研究でAGE値の減少に効果が見られたブロッコリースーパースプラウト。生のままよく噛んで食べるのが効果的です。
1日25gで(毎食8gでも可)2ヶ月間食べるとAGE値が約2割減少しました(個人差あり)。
AGEの抑制に役立つ食品は、食物繊維が多いひじき、ワカメなどの海藻類、オクラ、納豆、モロヘイヤなどのネバネバ食品などがあげられます。酢やレモンなどの柑橘類も血糖値の上昇やAGE化を抑える働きがあります。
また、きのこ類に含まれるキチン・キトサンは体内でAGEとくっつき、便として排出。体内に吸収されるのを抑えてくれる働きがあります。
チーズの熟成に欠かせない真菌の中にもキチン・キトサンが多く含まれています。脂肪分の少ないカッテージチーズがおすすめです。
AGEを抑える成分Sq2(エスキューツー)について
「AGE化」を抑制する成分には
などがあげられます。
この研究の結果・・・
「AGE」の値が約20%低下することがわかりました。また糖尿病の指標となるヘモグロビンA1c、中性脂肪、総コレステロール、腹囲、血圧、体重が有意に減少しました。
現在、この「Sq2」を配合した商品開発をおこなっております。
サプリメント
美容液
スカルプエッセンス
ハンドガードクリーム
他↓ Sq2に関する研究論文はコチラ ↓