炎症指数とAGEs
よく「免疫力を上げましょう」と言われることも多いと思います。
免疫は身体にとって有害な物質を攻撃して排除したり、細胞を修復したり、病気が悪化するのを防いだりと、健康を維持するために重要な機能です。「いざ」という時に力を発揮してくれたら良いのです。例えば風邪をひいた際に熱が出る症状は、免疫が風邪のウィルスと戦っている証です。熱も出さずに戦いがいつの間にか終わっていることもありますが、初期段階で免疫機能が働いたのでしょう。
風邪をひいたり、病気をした時は、「免疫力が落ちていたんだろう」と言われます。
免疫力が落ちている、体が弱っているとはどういう状態でしょうか?
仕事が忙しく寝不足が続いたり、ストレスが溜まっていたり、食事がきちんと取れていなかったりと体調が万全な状態でなかった時ではないでしょうか?
体調が万全でない状態を見るには、指標の1つとして血液検査の項目で、「CRP」があります。
「CRP」とは「C反応性蛋白」のことで、身体のなかで炎症が起きているときに血液中で上昇するタンパク質です。風邪をひいたり、細菌やウイルスによる感染症でCRPは急激に上昇し、炎症が治ればCRPは正常値に戻ります。これは急性炎症となります。
この炎症には急性と慢性があります。ここでは慢性についてお話しします。
慢性炎症とは、軽微な炎症が長期間続いいている状態です。体の組織の損傷が激しくないが回復までの経過が長引き、身体全体に何らかの不都合が起きていること、及びそれに伴う症状と考えられます。この慢性炎症が続いている間、体内の免疫機構は絶えず、これを抑え込むことで状態が悪化しないよう懸命に働いているのです。
免疫の働き過ぎなどで免疫機能に異常が起きると、体内の細胞組織を攻撃する「自己免疫疾患」を引き起こすこともあります。免疫力は常に高ければ高い方が良いというものではないのです。「いざ」という時にしっかり働いてくれる強い味方であってくれたら良いのです。
この「慢性炎症」は、がん、心臓病、糖尿病、関節炎、うつ病、アルツハイマー病など、私たちを苦しめる多くの病気に、関係があると言われています。
100歳以上のセンテナリアンを調べた研究では、長生きしている人はCRPの値が低いということもわかっています。
この慢性炎症を引き起こす原因の1つは食べ物です。
アメリカでは「食品の炎症指数」の研究がされています。炎症を起こしやすい食品と炎症を抑えたり、防いだりする食品がこの炎症指数によってわかります。
マイナスの数が多いほど、炎症を抑え、数値がプラスであるほど、それが引き起こす炎症が多くなります。
食品の炎症スコア
- トマト:-0.78
- リンゴとベリー:-0.65
- 濃い黄色またはオレンジ色の野菜:-0.57
- 鶏肉:-0.45
- 葉物野菜とアブラナ科の野菜:-0.14
- 高脂肪乳製品:-0.14
- 魚:-0.08
- 赤身と臓器肉:0.02
- 添加された砂糖:0.56
- 加工肉:0.68
- 精製穀物とでんぷん質の野菜:0.72
スコアの引用論文https://www.wellandgood.com/wp-content/uploads/2020/03/Inflammation-scale-study.pdf
炎症を抑えるものは、葉物野菜、トマト、リンゴとベリー、濃い黄色またはオレンジ色の野菜、マメ科植物、魚はすべて、炎症のリスクを下げることに関連しています。
一方、砂糖を加えると、炎症スコアが最も高くなり、加工肉も高いことがわかります。
また他の研究でも・・・
炎症を引き起こす食品
これらの食品をできるだけ避けるか制限するようにしてください。
• 白パンやペストリーなどの精製された炭水化物